代表取締役 ⽔野 雄太
私は、実家が保育園を経営しているので、⼩さい頃から保育園の話を聞いたり、時には保育園に⾏って、⾃分よりさらに⼩さい⼦どもたちと触れ合う機会もありました。しかし、大学を卒業して保育とは縁のない仕事に就くと、保育園とも距離ができていました。そして、保育のことは全く知らぬまま、保育園は親が仕事に⾏っている間に、単に⼀時的に⼦どもを預かって世話をしてくれる場所だと思っていました。現に、自分の子どもが保育園にお世話になっている時もそう思っていました。
ところが、藤森平司先⽣の「⾒守る保育」に出会うことで、そのイメージは払拭されました。保育園は⼦どもを預かって世話をするだけではなく、教育を行う大切な場所だったのです。そしてその乳幼児期にこそ子どもたちのためにするべきことがたくさんあることを知りました。「⾒守る保育」は、そのするべきことがぎっしり詰まっています。⼦どもの潜在能⼒を信じ、⼦どもが主体性を持って動けるようになることを目指す保育です。より具体的には、⼦ども同⼠が関わり合い、お互いを模倣し、やがて会話をし、助け合い、教え合い、共に成⻑していくことを可能とする保育です。
近い将来、雇用が⼈⼯知能やロボットに取って代わられることで、認知能⼒に重点を置く労働は減ると⾔われています。そんな中、⼈間ならではの強みとしてある⾮認知能⼒を活かして仕事をしていくことがますます重要になるとも⾔われています。その⾮認知能⼒の多くは乳幼児期に発達のピークを迎えることもわかってきています(出所:Dr. Clyde Heartzman)。すぐ諦めない、⾃分の気持ちをコントロールするといった感情抑制⼒の発達は、わずか⽣後9ヶ月から18ヶ⽉の間にピークを迎えると⾔われています。仕事でも重要となる、他者と協調して物事を進めていく⼒、社交性の発達は、⽣後24ヶ⽉から36ヶ月の間にピークを迎えると⾔われています。「⾒守る保育」には、それらの⾮認知能⼒を⾼める仕組みがたくさん盛り込まれています。
私は、こんなに素晴らしい保育に出会えたことに幸せを感じます。同時に、 世界中の子どもたちに、この日本で生まれた「見守る保育」を少しでも多く提供していきたいと強く思っています。